第146話『ルパン華麗なる敗北』と第149話『ベールをはいだメッカの秘宝』

「貴様への恨み、ここではらしてもいいんだぞ、ルパン!」銃を乱射しながら殺気立って迫り来る銭形。倉庫から再び逃げ出したルパンに、銭形が口から炎を吹きつける。炎から逃れたルパンを見届けた銭形は、宙に浮いて消え去った。その後、地中海のとある街へ五ェ門の武道大会の様子を見るために赴いたルパンと次元の元へ、不二子が助けを求めて現れる。理由を問いただすルパンに、不二子はある男に追われているのだと告白する。



コロンビアの田舎町にあるホテルへやってきたルパン一行だったが、そこへ死んだはずのマモーが現れ不二子を連れ去る。ルパンはマモーの力に心が折れてしまった次元の制止を振り切り、単身マモーの本拠地に乗り込み、ついに「自称神」マモーとの決闘を迎える。本作はテレビ放映時、放映時間調整と倫理的観点などから「瓶詰めになった赤ん坊のマモー」「ルパンの性的欲求が探り出される部分」のほか、「荒野での次元、五ェ門の口論とその後に続く砂漠をさまようルパン一行」などの場面が削除されるのが通例である。国境沿いの砂漠を旅する場面の削除については、その前後のつながりが不自然になるなどの影響が出ている。放送禁止用語も含まれているため台詞の問題で編集されるシーンもある。2000年、バンプレストから、『生きていた複製人間』としてゲームというジャンルで続編が作られることが予定されていた。



舞台:ネパールのヒマラヤ山脈舞台:スイス、オーストリアの国境付近劇中にムソルグスキーの交響詩「禿山の一夜」が使われている。



ルパン譚は主に冒険小説として見られ、ともすれば荒唐無稽とすら取られるため、ミステリファンからは高く評価されない事も多い。が、よく注意してみるとミステリとしても相当に完成度が高い事がわかる。作中で使われているトリックは後のミステリ小説でも何度も形を変えて使われ続けている。特に短編には推理小説として本格的なものも多く、『八点鐘』収録の「水びん」のトリックや「テレーズとジェルメーヌ」の密室トリック、「雪の上の足跡」の足跡トリックなどは、ミステリ・アンソロジーにも何度も収録されるなど評価も高い。第1話の「ルパン逮捕される」からして、叙述トリックやクローズド・サークルものの元祖の一つとも言えるのである。また、「奇巌城」や「太陽のたわむれ」などのように、暗号を扱った作品も多い。推理作家であり、推理小説評論家としても名高いエラリー・クイーンは、「クイーンの定員」と呼ばれる古今東西の推理小説選(1845年から1967年の作品を対象としている)で、ルパンシリーズより『怪盗紳士ルパン』と『八点鐘』を取り上げ、特に『八点鐘』については、「ほとんどすべての批評家から、探偵ルパンの最良の見本をいくつか含んだ事件と折り紙をつけられた短編集」と非常に高い評価をしている。



さらに詳しく