第144話『不二子危機一髪救出作戦』と参考資料
本作の製作は、1989年に始まった日本テレビ系『金曜ロードショー』で放送されているTVスペシャルの好調を受けたものである。脚本にはTVスペシャルを長年担当してきた柏原寛司を起用。監督には実写畑から伊藤俊也を招聘する試みを行ったが、絵コンテを担当した友永和秀によると、アニメスタッフ側とのルパン像に関して意見の食い違いが生じて、当初の伊藤色は薄まっているのだという。内容的には、カルト教団が予言に従って自作自演のテロを行なうというストーリーが、結果的にオウム真理教事件と同時進行する形となって一部で話題になった。ただし製作途中の段階まで一連の事件がオウム真理教によるものとは一般には知られておらず、オウム真理教事件に便乗したものではなかった。なお、本作品製作中にルパン三世の声優を演じてきた山田康雄が逝去したことから、ルパン三世の声優が栗田貫一に変わり、ヒロインの少女の声を安達祐実が演じたことも話題になった。
偕成社から、複数の訳者により原文に忠実な完訳でシリーズ全作品を網羅した全集が刊行。2006年現在最も完全な全集として版を重ねている。またこの全集には、ルパンシリーズに入らないルブランの他の著作も5冊、「別巻」として組み込まれている。ルパン生誕100周年を機に、訳者平岡敦が同年フランスで刊行されたルパン全集を底本に早川書房のハヤカワ・ミステリ文庫から新訳を刊行。2005年8月、『カリオストロ伯爵夫人』から、刊行開始。当初は、ルパンシリーズ全21冊を、1年に2冊、10年計画で刊行予定で、完訳の文庫版としては最新訳であり、シリーズ全作を網羅する予定である事から、初の文庫版完訳完全全集になることが期待されていたのだが、順調に刊行されたのは、2005年9月『怪盗紳士ルパン』、2006年5月『奇岩城』までで、4冊目となる『水晶の栓』の刊行は2007年2月にづれ込み、以降、現在2009年6月まで続刊は出ていないため、今後続刊が刊行されるのか、不安定な状態となっている。訳者、佐佐木茂索が以下のとおり翻訳した。
レディ・ジョーと取引をしてオリジナルメタルを売ろうとした不二子だったが、それは偽物で不二子は怒るジョーから逃げる。ジョーは、本物はルパンか次元か五ェ門が持っていると察知し、他の仲間に知らせる。ルパンの前には保険調査員を装ったポイズン・ソフィーが現れ、ルパンに自白毒を飲ませてオリジナルメタルのありかを探る。ルパンは次元が持っていると白状し、それを聞いたソフィーはリンダに連絡を取った。しかし、ルパンは毒を飲んだフリをしてでたらめを言ったのだ。次元の前にはボンバー・リンダが現れ、次元からオリジナルメタルを奪おうとするが、次元は持っていない事に気づく。そうなれば残るは五ェ門ただ1人になる。五ェ門の前には辻斬りカオルが現れ、名刀「妖刀紅桜」で五ェ門に勝負を挑み、刃こぼれした斬鉄剣では勝負にならないと判断した五ェ門は、ひとまず退却する。
サンフランシスコ沖に浮かぶカジノ船から金を奪おうと、船に乗り込んだルパン・次元・不二子・五ェ門の4人であったが、ルパンからの予告状を基に現れた銭形警部の活躍によって計画は失敗してしまう。しかし、ルパンの真の狙いはカジノ船の金ではなく、船が調査している海底の地形データであり、ルパンはそちらを盗む事は見事成功していた。ルパンは、そのデータを基にサンフランシスコ沖に眠る沈没船「ヤンキー・スレード号」に積み込まれていた金塊を手に入れようとしていたが、カジノ船の持ち主である秘密結社「シークレットセブン」に誘拐され、アジトであるアルカトラズ島の連邦刑務所に監禁されてしまう。しかし、きっちりと地形データの入ったチップは3人の元へ残して行った。不二子はいつもの如くルパンをそっちのけで金塊の探索を開始するが、なぜか今回に限って五ェ門までもがルパンをそっちのけにする。実は五ェ門は、スーザンというモデルに恋をしていたのだ。ルパンは、刑務所内で拷問好きの黄(ホワン)と、次元と因縁のあるハイエナにチップのありかを聞き出されそうになるが、そこに現れた次元の力を借りて黄(ホワン)を倒し、ハイエナを退け、アルカトラズ島を脱出した。