第57話『コンピューターかルパンか』と第44話「ボクたちのパパは泥棒」
一方、歌舞伎に興味のないルパンと次元はゲームセンターで暇つぶし。ルパンはUFOキャッチャーに3000円も突っ込む始末。次元の制止に対しても、「狙った獲物は絶対に逃がさねぇってのがな、ルパン家のモットーなんだよ!」と制止を振り切るありさま…。歌舞伎鑑賞中の五ェ門はというと、先祖の最期に涙していた。すると、いきなり屋根裏から忍者軍団が姿を現し、五ェ門を襲ってきた。彼らの投げる手裏剣を五ェ門は斬鉄剣で斬りおとしていく。忍者軍団の追撃をうけながらも、五ェ門は応戦しながら逃走していく。その頃ルパンは、やっとの思いで景品をGETした矢先に、五ェ門と忍者軍団が目の前を走り去っていったためその後を追う。なんとか忍者軍団の追撃をかわした3人であったが、今度は騒ぎを聞きつけた銭形警部がやってくる。銭形は「ルパンキャッチャー」と言う珍妙な秘密兵器(UFOキャッチャーの大型アームを搭載した飛行船)でルパンと次元を捕獲したが、2人はすぐに逃走。
この作品でのルパンの衣装のカラーリングは、劇場映画第一作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』と同じ黒いシャツに黄色のネクタイ、黒いズボンであった。しかし、不二子のキャラクターデザインは前年に放送されたTVスペシャル第八弾『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』同様に金髪であった。また、この作品から大野雄二が音楽担当に復帰している。この作品からルパン三世のテーマは'97バージョンに変更された。某国副大統領の誕生パーティーに潜入したルパン。まんまと建物内に忍び込み、金庫のロックを解除した瞬間、銭形警部率いる警官隊に取り囲まれる。
だが、かっさらった自由の女神はマイケルというナマイキなパソコンキッズのオマケツキだった。 マイケルのパソコン検索の結果、自由の女神を隠すのに最適な場所は「グランドキャニオン」だということが判明し、ひとまずそこへ自由の女神を運ぶ。 ルパンは、なぜ自分たちについて来たのかとマイケルに詰め寄る。 マイケルは、データを破壊するだけでなく、プログラムに侵入してこれを支配してしまうことができる世界最強のコンピューターウイルス「ニューウイルス」のネットワーク・ソフトウェア単独製作者である母親を探し出してほしいと言うのだ。 警察のデータも自由に書き換えられると聞いたルパンは、さっそくニューウイルス探しに乗り換えたのだったが、事態はすでに胎動していた。五ェ門がシベリアで助けた美女イザベル。不二子が狙った宝石密輸犯罪組織スリーメイソンの秘儀。追われていたイザベルこそが、マイケルの母親にしてニューウイルスを開発した天才博士でもあるスリーメイソンのNO.2だったのだ。 スリーメイソンのNO.1であるシルバーマンを殺害し、自らがNO.1に上りつめたイザベルは、スーパーエッグを掲げて自分の潜在意識の底からニューウイルスを呼び覚ます。 「世界を我が手に・・・」、その歓喜のエクスタシーの中で、彼女はNO.3であるジミー・カンツの狂刃に倒れた。 ルパンは、イザベルを救い出し、スリーメイソンのビルから脱出しようとする。だがその時、マイケルのパソコンにアメリカ国防総省とソビエト軍司令部からの緊急信号が入る。 それによると、何者かが両国のコンピュータへ進入し、東西両陣営の軍事戦略コンピュータが支配下に置かれ、核ミサイル発射装置が作動してしまったというのだ。 しかも、もし核ミサイルが発射されれば全人類の生存確率は皆無に等しいと公表される。 原因がジミー・カンツのニューウイルス使用によるものだということがわかり、ルパンとマイケルは再び崩壊するビル内へと戻っていく。
声の出演ではマモーに俳優の西村晃、エジプト警察署長に演歌歌手の三波春夫、大統領として漫画家の赤塚不二夫、書記長として劇画原作者の梶原一騎が出演した。梶原一騎は製作を担当した東京ムービー新社社長藤岡豊と『巨人の星』以来親交がある。三波春夫は本作品のエンディングテーマである「ルパン音頭」を歌っており、これも藤岡豊の指示で挿入されたものである。本作はクローン技術をテーマにしたSF作品であり、細胞分裂の限界(テロメア参照)などクローンに関する知見を盛り込む一方で、実際のクローン技術では達成不可能な「複製人間」を登場させている。この作品が公開された1978年はイギリスで「試験管ベビー」と呼ばれる世界初の体外受精児が誕生している。このためクローンはこの年の旬のテーマとなり、本作以外にもクローン人間をテーマとした小説『ブラジルから来た少年』の映画化、ノンフィクションという触れこみの『複製人間の誕生(In His Image:the Cloning of a Man)』の刊行があった。公開当時のパンフレットには、冒頭でルパンが死刑になったことで目的を達成した銭形は退職し、山寺の寺男になっているというあらすじが書かれており、実際にこのくだりは製作されたが、最終的にカットされた(序盤でルパンの検死報告が流れるシーンの背景が仏像なのは、この山寺のシーンに直結していたための名残である。この山寺のアイディアは、後に『ルパン三世 風魔一族の陰謀』にて流用される)。なお劇場用予告編にはカットされた山寺のシーンが一部使用されている。設定画そのものは残されているため、DVDの特典で没となった和尚や寺男デザインの銭形などを見ることが可能である。また、特報では『パイロットフィルム』の映像が多用されている。バックナレーションはルパンを演じる山田康雄が務めており、現存する唯一のパイロットフィルム+山田康雄という組み合わせが見られる。