作品の舞台 と第128話『老婆とルパンの泥棒合戦』

脚本は、浦沢義雄と、師匠に当たる大和屋竺(浦沢は物語前半を書き終えたのち、重責に堪えかね現場を離れている)。劇場版前2作に見られた重厚な設定や物語進行よりも、ビューティーコンテストで集まった婦人警察官軍団、果ては異星人の登場など、奇抜な作風となっている。なお、この作品に限っては舞台が1986年2月と確定している。作中のルパン曰く世界征服を企んだ英雄の1人にヒトラーを挙げている。



その頃ルパンは、やっとの思いで景品をGETした矢先に、五ェ門と忍者軍団が目の前を走り去っていったためその後を追う。なんとか忍者軍団の追撃をかわした3人であったが、今度は騒ぎを聞きつけた銭形警部がやってくる。銭形は「ルパンキャッチャー」と言う珍妙な秘密兵器(UFOキャッチャーの大型アームを搭載した飛行船)でルパンと次元を捕獲したが、2人はすぐに逃走。事の発端である五ェ門を問いただすが、五ェ門は「狙われておるのは拙者のみだ、関わりあいにならないほうがいい。これ以上首を突っ込むと、お主たちでも斬る」と意味深な一言を残して立ち去ってしまった。その3人の会話を後方から車で見届ける怪しげな影があることにルパンは気づく。ライター型カメラでこっそりと写真を撮ったルパンは、パリにあるアジトに戻って写真を解析した結果、その人物は香港マフィアのボスである陳珍忠であることが判明する。何かあると睨んだルパンと次元は、陳の主催するパーティーに潜入すべく香港に停泊中の豪華客船にニセの招待状を使って潜り込む。だが、その船には不二子も潜入していた。不二子の狙いは、陳の狙っている豪華客船「タイタニック号」の船内にあるお宝であった。そこへ、陳珍忠が姿を現す。彼によれば、そのお宝とは「竜の置物」で、かつてそのお宝はルパンの祖父であるアルセーヌ・ルパンが予告状を出して唯一盗めなかった物だとルパンに告げる。それを聞いたルパンは陳の元から逃走。海底4000mの深海に沈んでいるタイタニックへと向かい竜の置物を手に入れる。



また、1960年代後半からはじまったフェミニズム運動と女性の社会進出により、1980年代には女性作家が女性の私立探偵を主人公にした作品を書くようになる。まずマーシャ・マラーのシャロン・マコーンが『人形の夜』(1977)で登場し、続いてサラ・パレツキーのV・I・ウォーショースキーが『サマータイム・ブルース』(1982)で、スー・グラフトンのキンジー・ミルホーンが『アリバイのA』(1982)で登場した。以後、リアリスティックな女性私立探偵小説は一大潮流となる。1970年代以降の作品の多くは、文体も主人公たちの性格もハードボイルドではないため、私立探偵を探偵役にしたミステリは、私立探偵小説(PIノヴェル Privete Eye Novel)という名称で呼ぶのが一般的になった。こうした私立探偵小説の流れとは別に、ハードボイルド文体で描かれた犯罪小説がある。ハメットと同時期の作家で、ハードボイルド文体の創始者としてあげられるのが『リトル・シーザー』(1929/映画「犯罪王リコ」の原作)のW・R・バーネットと、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1934)のジェームズ・M・ケインである。「ブラック・マスク」誌の出身であるが独自の道を歩んだホレス・マッコイは、『彼らは廃馬を撃つ』(1935)で大恐慌時代の明日なき青春を冷徹な筆致で描く。また『ミス・ブランデッシの蘭』(1939)で登場したジェイムズ・ハドリー・チェイスは、イギリス人ではあるがアメリカ英語で作品を発表。『殺人のためのバッジ』(1951)など警察官を主人公としてアメリカの社会問題を描こうとしたウィリアム・P・マッギヴァーン、ハメット・スタイルで書かれた『やとわれた男』(1960)でデビューしたドナルド・E・ウェストレイクもハードボイルド小説に新風をもたらした。これらの作品の手法・文体は映画の影響をうけた部分もあり、また多くの作品が映画化されることによる相互作用で、ハードボイルド・タッチは熟成していった。



転じて、感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情、精神的肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表す言葉となる。文芸用語としては、反道徳的・暴力的な内容を、批判を加えず、客観的で簡潔な描写で記述する手法・文体をいい、アーネスト・ヘミングウェイの作風などを指す。また、ミステリの分野のうち、従来の思索型の探偵に対して、行動的でハードボイルドな性格の探偵を登場させ、そういった探偵役の行動を描くことを主眼とした作風を表す用語として定着した。主人公は軟弱な生き方を拒否するタイプが多いため、近年の日本作家の作風は冒険小説との境界が曖昧である。映画(主にハンフリー・ボガート)の影響から、トレンチコート(コートの中はスーツ)に身を包みソフト帽を被ったタフガイというイメージで語られることが多い。そういうイメージとしての「ハードボイルド」には、タバコの紫煙やバーボンなどの小道具、危機に陥った時の、それをものともしないような軽口も挙げられる。こうしたハードボイルド的イメージは完全に記号化されているため、この点を逆手に取ったパロディも多く存在し、「男性用のハーレクイン・ロマンス」(斎藤美奈子)という揶揄も否定できない面がある。ミステリのハードボイルド派は1920年代のアメリカではじまる。パルプ・マガジン「ブラック・マスク」誌(1920年創刊)に掲載されたタフで非情な主人公たちの物語がその原型で、同誌にはダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラー、E・S・ガードナーらが寄稿した。特にハメットは『血の収穫』(1929)や『マルタの鷹』(1930)などにおいて、簡潔な客観的行動描写で主人公の内面を表現し、ハードボイルド・スタイルを確立した。『大いなる眠り』(1939)で長篇デビューしたチャンドラーは、ハメットのスタイルに会話や比喩の妙味を加え、独特の感傷的味わいをもつ『さらば愛しき女(ひと)よ』(1940)、『長いお別れ』(1953)などのフィリップ・マーロウ・シリーズを発表した。また、1940年代からはハリウッド映画でも多くのハードボイルド・スタイルの作品が作られ、『カサブランカ』(1942)はアカデミー賞作品賞を受賞した。



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